為替について最近のヘッジファンドや投資銀行が行っているリスク管理手法のエッセンスをここで披露します。
一部の方の中には、ヘッジファンドや投資銀行は「資金量が違うから全く参考にはならないだろう・・・」とか「手法が難解すぎて、個人ではちょっと・・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実はそんなことはないのです。
逆説的に言えばヘッジファンドや投資銀行はリスクとリターンが見合った運用を心がけているだけなのです。
前章でリスク・リターンの関係を説明しましたが、金融機関の第一目的は金融・資本市場の仲介役を担うことであり、そのために支払うべきコスト(人件費を含め)をカバーするための最善の方法を日々選択しているだけなのです。
TTB・TTSなどという個人向けの為替レートが存在するのも、金融機関が市場の価格変動リスクを回避しながら仲介コストを賄うための代表的な収益に対する考えをあらわしているからなのです。
オプションに代表されるデリバティブなども同じ発想です。
オプションの理論価格を計算するための背景となっている理論の根幹は、裁定価格理論と呼ばれ、投資の収支を常に0とすることを前提としています。
この理論に基づけば、世の中の運用者が皆同じ動機と知識で運用を行えば、誰も利益を生むことはないということになります。
ではなぜ実際の世界では投資の成功者や失敗者の話が蔓延するのでしょう。
それは個々の運用者の知識や情報の収集速度に違いがあるからです。
運用手法や投資対象に対する情報が早く入手でき、早く決断することができれば、それらの入手が遅いひとよりも、利益を得る確立がより高まります。
損失を回避するときも同じです。しかし、人によっては公開されていない極秘情報を手に入れるかもしれません。
その情報を利用して、公開マーケットで利益を得ることはオリンピックでフライングすることと同じです。
したがってインサイダー情報規制が存在するのです。投資銀行などにはそのような公開前の情報が溢れています。
しかし彼らはそのような情報で運用を行うことは禁止されています。
投資銀行やヘッジファンドにとっても運用で儲ける秘密はないのです。
加えて個人が利用できる商品も投資銀行に比し遜色ないものとなってきています。
スワップ金利を受け取りながら手軽な為替レートで外貨運用が行える外国為替証拠金取引はまさにその代表例なのです。
では、ヘッジファンドや投資銀行と個人投資家の一番大きな差は何なのでしょう。
それは運用のために費やす時間と労力です。
個人投資家であっても、巷で利用できる専門家や文献、そして自分の趣味の時間を運用に回すことでヘッジファンドや投資銀行と同じ土俵で戦うことは全く夢ではないのです。
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